ぶった切りの名前とは？ぶつ切り音のネーミングに姓名判断のプロが物申す！

ぶつ切りの読みを持つ名前（近年はぶった切りネーム、ぶった切り名前と言われることもある）は名付けにふさわしいでしょうか？　姓名判断のプロとしてこの問いに答えたいと思います。

愛を「あ」、恋を「れ」と部分的に読ませることをぶつ切りと言います。例えば友愛（ゆあ）はぶった切りネームになります。

友（ゆう）→ゆ
愛（あい）→あ

この名前は「ゆうあ」「ゆあい」「ゆうあい」といろいろな読み方が考えられます。名前は呼び名であり、自分と世界の接点であります。「自分」ではないのです。自分と世界をつなぐ記号であり、自分が認識するものでありながら他人が自分を認識するための道具です。

ですから読みにくい漢字、複数の呼び方がある名前は基本的に名付けにふさわしくありません。上の名前では「ゆうあい」が文字通りの読みになりますが、「ゆうあい」は個人というよりは団体の名称を想像させてしまいます。

ぶった切りの名前はやめよう

ぶった切りネームはキラキラネームになりがちです。例えば陸空明（りくあ）という名前はキラキラネームになるでしょう。

陸（りく）→り
空（くう）→く
明（あかるい）→あ

陸と空の壮大な感じと明の持つ希望がくっついた素敵な名前かもしれません。しかし誰もこの名前を正確に読むことはできず、名前の役割をきちんと果たしていない。

名付けたときは新しい名前をつけたことに興奮しているかもしれませんが、その興奮は一時的ですぐに後悔に変わるでしょう。

姓名判断で多くの名前を見てきましたが、ぶった切りの名前のほとんどはいい名前とは言えません。翼という名前は非常にシンプルで、子どもも大人も全ての日本人がこの漢字を「つばさ」と読むでしょう。実際、この漢字は画数も良く、代表的な中性的名前6選として当サイトでは推奨しています。ほとんどのぶった切り名前より翼のほうが親も子も後悔しない名前であることはほぼ確実でしょう。

名付け・ネーミングのやり方にある名付けの鉄則を最後に記します。

◎名前は素朴で平凡なほうがいい。素晴らしい名前はほとんど全て平凡である。

ぶった切りの名前でもいいと考えている人は子どもの将来を想像しましょう。その子が学校でどんなふうに言われるか、親戚にどう思われるか、30年後の子どもは自分の名前をどう思うか。ぶった切りの名前でいいと思うのは、やや言い方が悪くなりますが、名付ける側が精神的に成熟しておらず、子どもを育てるに必要な社会性と想像力に欠けているからと言わざるをえません。